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TIMAについて

今治市伊東豊雄建築ミュージアムの開館に向けて

伊東豊雄

所敦夫氏がギャラリー長谷川の長谷川浩司氏と私のオフィスに初めて来られたのは2004年です。大三島に御自身の「ところミュージアム」を寄附された所氏がその隣にアネックスをつくられるということでその設計依頼のためでした。まだ大三島が今治市と合併する前のことです。

かつて訪れたことのないこの島に所氏等と共に足を踏み入れた途端、島の美しさと島の持つ不思議な力に圧倒されました。地霊の存在が伝わってくるような土地の潜在力を感じたのです。

設計は敷地を選ぶことから始まりました。瀬戸内の島々を見下ろすみかん畑の傾斜地からの眺望は絶景でしたが、いざ建物を配置しようとすると平地がほとんどなく、決して容易ではありませんでした。

設計は二転三転し、やがて大三島町は今治市と合併しましたが、その間私は所氏や長谷川氏に将来の建築にかける夢を語りました。私が若い建築家を育てるための塾をつくりたいことを話すと、突然お二人が「それならばここでやればいいじゃないか」と言って下さったのです。

今治は巨匠丹下健三氏の出身地です。そのような土地に私の建築ミュージアムがつくられることには大きな躊躇いがありました。しかし菅市長以下市の皆様方の温かいお勧めに甘え、お受けすることにしました。

さらに私の自邸として1984年に東京中野に実現、建築学会賞をいただいた「シルバーハット」もこの地で再生させていただくことになりました。

かくして所氏から市に寄附された「スティールハット」は展示を中心としたパビリオンとして、「シルバーハット」はワークショップ及びリサーチのスペースとして、瀬戸内の美しい海を背景に並び立つこととなったのです。

所氏や長谷川氏、菅市長や市議会の皆様、多くの市民の皆様方に心から御礼申し上げる次第です。この建築ミュージアムが今治市の将来の発展のために貢献するよう微力を尽くす覚悟です。

2011年6月28日