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岩田健母と子のミュージアム コンサート「雅楽空間」が開催されました。

2016/10/16 / Today's TIMA

山田安紀(伊東豊雄建築ミュージアム)

2016年10月15日(土)に伊東豊雄建築ミュージアム主催で岩田健母と子のミュージアム コンサート「雅楽空間」が開催されました。

「雅楽空間」は昨年も開催され、今回で2回目となります。

「雅楽空間」では演奏体験ワークショップも開催され、出演者の中村仁美さん(篳篥)、日比和子さん(笙奏)、伊崎義之さん(竜笛)が指導してくださいました。

参加者は「音はかろうじて出るものの、なかなか音色にならない…」と苦戦されている様子。

しかし、貴重な体験に感動したという感想もいただけました。

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写真1:演奏体験ワークショップで中村さんより篳篥を教わる様子

 

日も暮れ始め、少し肌寒い気候でしたが、コンサート会場の岩田健母と子のミュージアムには多くの方々に来場していただきました。

定刻になり、コンサートはスタートしました。

はじめに司会者の伊東建築塾 古川さんより9月28日に他界された岩田健先生について、

ご冥福をお祈りするとともに、岩田先生の紹介をしました。

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写真2:コンサート冒頭、挨拶をする作曲家の石田多朗さん

 

1曲目は追悼の意をこめて、岩田先生の温かなお人柄とご自分のお母様、お兄様が創作の原点だったことから、童謡の「故郷(ふるさと)」。

誰もが触れたことのある楽曲と雅楽特有ののびやかな音色にすっと心に染み入るようでした。

多くの方がふと脳裏にご自分のご家族の絵が浮かんだのではないでしょうか。

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写真3:会場の様子

コンサートでは会場全体を利用して、出演者がフォーメーションを変えながら演奏し、会場の音の響きに変化を与えていました。

天と地の間を行き交う「竜が空へ立ち上る鳴き声」とも例えられる龍笛。

「天から差し込む光」と称される笙。

主旋律を奏でる楽器で「地上の音」と称される篳篥。

今回のコンサートではソロ曲も演奏され、龍笛の伊崎氏による「蘇合香序一帖」、日比氏による笙の即興演奏、中村氏による篳篥の「舞える笛吹き娘」が演奏されました。

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写真4:篳篥は小さな楽器だが、奏でる音は想像をはるかに上回る壮大さ

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写真5:複数の音域が奏でられる笙は、一音でゆっくりと心地のよい音色が響きわたる

 

3名によるアンサンブルでの「永遠の風景」を演奏。

この曲は石田氏が今回のコンサートのために作曲した新曲で、去年で披露した「死者の書」と兄妹のような曲です。

死後の世界の永遠の平穏と現世には戻れない寂しさをコンセプトにつくられたそうです。しっとりとやさしさに溢れる一方で、はかなさが漂う楽曲でした。

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写真6:3名が揃うと、会場は荘厳な雰囲気に包まれます

 

1時間のコンサートの中で、古典雅楽の楽曲からソロ、新曲雅楽も演奏され、盛りだくさんの内容でした。

 

第2回目の開催となる「雅楽空間」は日々の喧騒から一時離れることのできる場所になったのではないでしょうか。

笙、篳篥、龍笛がそれぞれ「天」「地」「空」を意味するように、音楽表現がそのまま宇宙を創ることと考えられてきた雅楽は、自然の中での演奏に一番適した音楽ともいえます。

雅楽器の音に加え、鳥の声、風の音、海の音など大三島の環境の条件全てを包括した中に人がいれることは、とても貴重なコンサートなのかもしれません。

建築、彫刻、集う人々が「雅楽」によって、さらなる一体感を感じさせるコンサートでした。

コンサート中、不思議と「母と子」を主題とした岩田先生の作品たちが、いつにも増して表情豊かに見えました。

 

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

そして、コンサートを企画してくださった石田さん、出演者の中村さん、日比さん、伊崎さん、協力者の皆様ありがとうございました。

 

 

【曲目】

1.ふるさと

2.盤渉調音取

3.盤渉調超殿楽

4.蘇合香序一帖 (龍笛ソロ)

5.即興(笙ソロ)

6.舞える笛吹き娘(篳篥ソロ)

7.永遠の風景

8.壺越調調子

9.胡飲酒序

10.胡飲酒破